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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
「それは……男と女、だし……」
僕がやっと絞り出した言葉。
「ああ、うん。まあ、ね」
それを一旦受け止めて言うと、寺井はスッと立ち上がった。
そして、ゆっくりと僕の側へと立つ――。
「一応、そんな感じで思ってくれてたんだ」
「そんなの……当然じゃないの?」
男と女であることなんて、確認するまでもないことだって。
まだそんな程度の場所(レベル)を、僕はうろついている。
だから――
「お互いわかってるなら――いいよね?」
「う、うん……?」
僕はその問いに真っ白な頭のまま、そう頷くしかなかった。
「じゃあ、続けようよ。原稿の仕上げ――よろしく」
それでも――珍しく見せた微笑みは、とても意味深だと思えている。