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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
続けるって、なにをどこまで……?
バカみたいな疑問を浮べ、戸惑う僕の――
「――!」
その床に置かれている右手に、寺井は自分の左手を重ねた。
それは、およそお目にかかったことのない――表情。
寺井は斜にしな垂れるようにして、僕をややトロントした眠そうな目つきで眺めている。
いや――眠そうというか――なんか妙に――色っぽい、ぞ?
はち切れんばかりの胸の鼓動。それでも僕は動けないでいて。普通の男ならば、そのまま押し倒す場面なのだろうけれど……。
そんな臆病な僕に、寺井は微笑してこんなことを語り始めた。
「私ってさあ。浪人してるから、一応は年上じゃんか?」
「え、うん……?」
「だから、お姉さん的にリードしてあげたいけど、やっぱ無理。私だって、初めてだし。つまり――」
「つ、まり……?」
「処女vs童貞――ってことで、焦らずに――よろしく」
「――!?」
会話の流れで、再び重ねられた唇。
僕たちは高鳴りのままに、未知の領域へと進もうとしている。
良く言えば初々しく――とても、ぎこちなく。
それ故に、取り留めもないくらい――あからさまに。
言葉にできない部分を、確かめようとしていた。