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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
「あの……なんか、気に障ることでも?」
何故か急に機嫌を損ねたような、寺井によって醸し出される些かシラケつつある空気。それに耐え兼ね、僕は思わず訪ねた。
すると、ジロッと僕を睨みつけて寺井は言う。
「私は、等価交換と言ったはず、だけども」
「え? だから、こうして――」
シャツを脱いでるでしょ、と言いかけた矢先。
「もしかして、バカなの?」
「は?」
投げかけられた辛辣な言葉に、僕は唖然とした。
それに対し、呆れたようにふっとため息をついた寺井は――
「『乙女の麗しき乳頭』と『野郎の毛の生えた乳首』――その両者を、どうして等価と思えたものか。私はその感性を疑っている」
そんな風に、朗々と語った。
「や、やだなあ。僕、毛なんか生えてないし」
「そんなこと、今はどうでもいいから。つまり――」
語気で僕を制しつつ――
「私が見たいのは――そっち」
寺井が指差したのは、僕の股間だった。