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桜舞うあの日のままで
第12章 悠と真奈美
真奈美が笑顔のままで、手にした小さな商品を悠に見せて尋ねる。
「じゃあ、悠君はこのメガネ拭きがいいと思うんだよね?」
「うん、メガネをかけてらっしゃるんだったら、そういうのが無難だろうなって」
「じゃあ、さっき買ったネクタイと合わせて、この2つでいいかなぁ」
「いいと思うぞ。多分」
「なんで、そんなに他人事みたいな口調なの?」
悠は苦笑しながら答える。
「そりゃ、他人事だろ。何度も言ってるように、俺は真奈美のお父さんには会ったことすらないし。『付き添いでいい』って言うからついてきたのに、そっちが勝手に意見を聞き始めただけだろ」
「でも、息抜きにはなったでしょ。悠君は、いつも暗いし。根暗だし」
「誰が根暗だ。俺は、もう帰るぞ」
そう言うと、悠は本当に帰ろうとする。
真奈美は慌てて呼び止めた。
「じゃあ、悠君はこのメガネ拭きがいいと思うんだよね?」
「うん、メガネをかけてらっしゃるんだったら、そういうのが無難だろうなって」
「じゃあ、さっき買ったネクタイと合わせて、この2つでいいかなぁ」
「いいと思うぞ。多分」
「なんで、そんなに他人事みたいな口調なの?」
悠は苦笑しながら答える。
「そりゃ、他人事だろ。何度も言ってるように、俺は真奈美のお父さんには会ったことすらないし。『付き添いでいい』って言うからついてきたのに、そっちが勝手に意見を聞き始めただけだろ」
「でも、息抜きにはなったでしょ。悠君は、いつも暗いし。根暗だし」
「誰が根暗だ。俺は、もう帰るぞ」
そう言うと、悠は本当に帰ろうとする。
真奈美は慌てて呼び止めた。