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桜舞うあの日のままで
第4章 悠の部屋にて……
「ごめんな……中に出して……。間に合わなかった……」

 伏し目がちな悠に向かって、励ますような微笑みを浮かべた風香が答える。

 悠から受け取ったティッシュで、後始末を続けながら。

「いいよ、気にしないで。私を気遣いながら、してくれてありがとう」

「怒ったり文句を言ったりせずに、お礼を言ってくれるなんて、風香らしいな。成り行きとはいえ、恋人でもない俺に、『初めて』を奪われてしまったというのに」

「悠にとっても、私が『初めての相手』なんだよね? 私はキスもさっきのが初めてだけど」

「そうだな、俺にとっても初めてだ。キスもセックスも」

 シンボルを拭き終わり、下着を穿きながら答える悠。

 風香もショーツを手に取った。

 二人とも、そそくさと下着や服を着けていく。

 急に、気まずく、恥ずかしくなったように。




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