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愛する、三人のケダモノ達。
第3章 嫉妬する、ケダモノたち。
 お昼前の十一時。

 三人でリビングでくつろいでいると、チャイムが鳴る。

「あ、私が出ますね。」

 立ち上がり、玄関に向かう。

「ちょっと、湊っ。朝陽っ。手伝いなさいよっ。さっきから携帯鳴らしてんだけどっ?!」

 ドアを開けようとしてノブに手を伸ばすと、勢いよく開く。

「あっ、きゃっ。」

 思わず引かれたドアに、身体も倒れかかる。

 足が宙に浮き、転びそうになった私を抱えてくれた人がいた。

 ふっ、と見ると今までに見たことのないくらいの美女が私の身体を抱き締める。

「あら、ごめんなさい。湊と朝陽はいるかしら?えっと…。」

「あ、伽揶です。和泉伽揶。」

「そう、そう。朝陽からメールもらってる。貴女が私のモデルをしてくれるのね。私は橘杏子。湊の姉です。よろしくね。」

 杏子さんは私の身体の体勢を整え、私を覗き込む。

「うん、可愛いわね。」

 後ろからバタバタと橘さんが走ってくる。

「姉さん。おひさしぶりです。」

「携帯に何で出ないの。朝陽も。とりあえず、荷物運んで。」

「電池切れてました。すみません。」

 橘さんは杏子さんの足元にあるスーツケースを持ち部屋に戻る。

 改めて、橘さんと杏子さんを見ると背が高くて、細身で美男美女…素敵な姉弟だな。などと、思ってみたり。

 リビングに行くと杏子さんは座っていた朝陽兄さんに抱きつく。

「朝陽、久し振り。」

「うん、久し振り。杏子ちゃん、元気だった?」

「元気、元気。」

「それはよかった。」

 抱きつかれた朝陽兄さんは優しく抱き返している。

 あ、あれ?

 なんか、複雑な気持ち。

「…さて、ちょっと急ぎなのよ。伽揶ちゃん、こっちに来て。」

 リビングの真ん中にスーツケースを置き、中から色々取り出す。

「服脱いで。」

 は、はい?

「顔は写さないから。背景もパソコンで処理するし。」

 杏子さんの側で思考が止まる。

「…えっと。」

 杏子さんは戸惑う私の服を脱がしはじめる。抵抗す間もなく、下着姿にされる。

 朝陽兄さんも橘さんもいるんですけど?

「…可愛い。」

 杏子さんは私の背後に回り、ブラのホックを外す。

 うわぁ、女性にこんなことされたのはじめてかも。

 恥ずかしさに顔を赤くする。

「…朝陽が入れ込むのもわかるわ。さてと、じゃあこれから着けて。」
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