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どうか、私を愛してください。
第9章 涙のキス。
唇に残る感触が本当に誠二さんなら……
私が目覚める前に誠二さんが姿を消したなら
誠二さんがこの部屋に来たかもしれないってことは伏せたほうがいい気がした。



「誠一…さん?」



部屋から出て行こうと開けた扉を後ろから誠一さんに閉められる。
背中から誠一さんの体温の高さが感じられる。
首にかかる吐息も温度が高い。



「この部屋にいたってことは……まだ誠二のことを忘れていないのか?」



「ただ……換気していただけです。」



閉められたドアノブをもう一度握ると今度は私の手に誠一さんの手が重なってくる。
誠一さんにこんな風に手を重ねられるのはいつぶりなんだろう…?


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