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どうか、私を愛してください。
第11章 誠一VS誠二
『ふっ…俺たち双子なのに兄さんのことさっぱりわからないよ。』



『……お前にはわからないだろう。俺が長男だからとテレビの時間も友達と遊ぶ時間も恋愛も奪われる辛さを。』



『次男だからと家族と引き離されて言葉が通じない国へ行かされて、おまけに何もかも自分でしないといけない。愛する人も俺だってとられたんだ。』



『誠二……』



俺は勘違いしていたのかもしれない。
誠二はアメリカで俺にはない自由を堪能していると思っていた。
だけど自由ってものは誠二だってなかったかもしれない。



俺はこの家を出れば自由だと思っていた。
だけど誠二にとっては家にいて家族や紗英がいて
それが誠二にとっては自由な生活だったのかもしれない。



この家に産まれてきた瞬間から
俺たちはこの家に囚われていたんだ。
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