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どうか、私を愛してください。
第16章 電話越しで・・・
「美緒…美緒……」
本当は『お義姉さん』だなんて呼びたくなかった。
いつも心の中では何百回、何千回も美緒の名前を口にしていた。
俺の声が出なくなる日までたくさん名前を呼びたかったんだ。
「……じさん。誠二…さんっ……誠二さんっ……」
中学生ぐらいだったら
きっと名前を呼ばれたら嬉しくて口元がほころんでいたのかもしれない。
大人になったいまは、名前を呼ばれると胸が締め付けられて苦しい。
嬉しさを通りこして愛おしくて仕方ない。
「私を連れ出してっ……」
「美緒……」
「我儘言っているのはわかっています。でももう限界なんですっ……もうこの家が限界なんです。」
本当は『お義姉さん』だなんて呼びたくなかった。
いつも心の中では何百回、何千回も美緒の名前を口にしていた。
俺の声が出なくなる日までたくさん名前を呼びたかったんだ。
「……じさん。誠二…さんっ……誠二さんっ……」
中学生ぐらいだったら
きっと名前を呼ばれたら嬉しくて口元がほころんでいたのかもしれない。
大人になったいまは、名前を呼ばれると胸が締め付けられて苦しい。
嬉しさを通りこして愛おしくて仕方ない。
「私を連れ出してっ……」
「美緒……」
「我儘言っているのはわかっています。でももう限界なんですっ……もうこの家が限界なんです。」