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どうか、私を愛してください。
第20章 誠二さん、どうか私を愛してください。
家は出かける場所であり、帰る場所。



思い出がたくさん詰まった場所だから
財布の中にずっと実家の鍵を閉まっていた。
もう開けることはないと思っていたけど――



ガチャン――
ドアを開けると懐かしい香りが包み込んでくる。



「懐かしい……」



「ここで美緒が大きくなったのか…」



「真っ暗ですね。ブレーカーあげてみますね………あ、点いた。疲れましたよね。お布団ひきますからもう今日は寝ましょう。」



「美緒のご両親に会いたい。」



「え?」



「美緒の両親に会いたくて家に連れてきてもらったんだ。お墓に行くのはもう今日は遅いから。」



「あ……両親はこっちです。」
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