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召喚師の伴侶
第2章 Vol.2:契約
イヴァリスが戦う理由は“神の意思”だからだ。
母なる地母神アテネステレスの意思に従い行動するのがイヴァリス国民の義務である。


「魔導師…ってか軍人になんなきゃなんになりたいと言うのさ?」

彼女の問いに言葉が詰まる。
モンスターである彼女も日々莫大な税を徴収されているのだ。
それがモンスターである彼女が人里で暮らしていても駆逐されない条件とも言えるかもしれない。


「僕は……神殿騎士になりたいのさ」

「し、神殿騎士…っって、あんた!神殿騎士は騎士とは名ばかりの使い捨て戦士だよ!」

神殿騎士の任務は異教徒の根絶。
アテネステレス神以外の神の崇拝を阻止することを目的としてアテネステレス教団に編成されたのだ。

実際は教団ではなく、聖騎士団の隷下である噂もある。
そして魔神崇拝者達も「女神アテネステレスこそ魔神である」と称えるという。
結局は異教徒は存在しないのだが、祈りかたが違う場合も駆逐の対象になる。

それだけでなく、野生化したパンツァードラゴンや町村の自警団では手に負えないモンスターに対処する任務もある。

国の組織で唯一、辺境の民を守れる仕事でもあるのだ。


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