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縄と蝋燭 ~法恵の不貞~
第6章 ■心の隙間を埋める
今日は夫の当直の日である、朝から部屋に一人になる、午前中はいつものとおり家事に専念し、幼なじみの奈津子から電話があってお昼を一緒に食べる。

奈津子-「バイトがんばってるんじゃない?」

法恵- 「そうでもないけど」 
「旦那のいない時間が結構あるから、何もしないよりバイトして売って感じ」
奈津子-「私は子供はうるさくて、なかなかできなくなっちゃった」

法恵- 「そうなんだ」
    「ねぇ聞いていい?」
「バイトしていて、会ってみたいと思い人いる?」
奈津子-「たまーにいる」
    「生理前とかしたくなるとね」「あるよ、でも家庭のこと考えると出来ないね」
    「もしかしたら、法恵会ったの?」

法恵- 「いやいや」「ないよ」
    「でもね、話していて紳士って感じの人がいてね」
    「その人、彼女にフラれてテレクラ来ててさ」
「慰めてあげたら少し情がわいたって感じなんだ」
「他の話す人と違って、すごい紳士って感じが伝わったから」

幸雄に興味があることは言えたが、SMに興味が出てきたとは、奈津子に言えなかった。

奈津子-「法恵の所は、子供いないしね」「時間たっぷりあるし」
    「やばい事にならなければいいんじゃない?」
    「食事とかだったら」

法恵- 「うん、そだね」「でも、ないねバイトだし」

法恵は嘘をついた。
他のたわいもない話をして、お昼が終わり、奈津子と一緒に買い物して16時頃帰宅、この数日、幸雄の事が頭から離れない。
でも、既婚者であるという事実が幸雄への連絡を止めさせている。
電話してまた話したいという気持ちは、膨らんで大きくなっている。

家事もひと段落ついたころ、ソファーに座り、テレビを見る午後の再放送の刑事ドラマをしていた。
犯人に誘拐された女性が、後ろ手に縄を、ハンカチのような白い布で目隠しをされている、両足首を同じような白い布で縛られ、身動きができない状態の様子が画面に映しだされている。
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