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こんにちは。

　今日のニュースタイトル、まさにこのお話のメインテーマです。
　身代わり姫であっても、本物の紫姫でなくても、
　千種は一人の女として一人の男である頼経に恋をした。
　そして、その想いは真剣なものであった。
　政子が亡くなった今、千種が幕府が根底から揺らぐような重大な秘密を
　自ら頼経に打ち明けたその意味は大きいものがありました。

　第一話のヒロイン楓も大恩ある主君頼朝や政子への忠義よりも
　愛する男時繁を選びました。
　千種もまた『紫』であることよりも、愛する男への想いに
　忠実に生きたのですね。

　楓は結局、家や親を捨ててまで、男と生きる道を選びました。
　ある意味では、ワガママを通したといって良い生き方です。
　しかし、千種は理不尽にも身代わり姫に仕立て上げられ、
　他人として生きることを余儀なくされた人生でした。
　ともに愛に殉じて生きた生き方は同じでも、
　思い通りに生きた楓と千種の生涯は対照的です。
　それでも、今日の更新部分で千種が語ったように、
　彼女はその理不尽な強いられた運命の中で、
　自らに課せられた源氏の姫、御台所という立場を真剣に受け止め、
　最後は受け容れて自分なりに力を尽くそうとしました。

　私はこのとおり、愚かな煩悩の多い人間ですが、
　小説を書いていて、自分の書いた作中人物に教えられることが多いです。
　今回、千種があまりにも良い子すぎて、
　私は何度も我が身を振り返って恥ずかしくなりました―。
　この作品を書いて、人は意に添わぬ運命でも時として受け容れなければ
　ならず、また、受け容れて力を尽くす中で
　幸運にも恵まれるのだということを知ったような気がします。
　だからこそ、千種も頼経という愛する男に巡り会えたのかもしれません。

　今日は長々と失礼しました。

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