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こんにちは。

　蒸し暑いですね。
　
　さて、泉水が師匠である光照に出家を願い出ました。
　
　私、作者であるという立場を離れても　
　一人の母親として泉水の気持ちはよく判るような気がするのです。

　理詰めで考えて幼い息子を手放すという理性的な決断を
　下しはしたものの、
　その後、手放さなければ良かったと後悔する―、
　人間なら当たり前のことのように思います。

　そして、
―苦しいのです。
　と、泣きながら訴えた気持ちも、、、
　最早、どこにも自分の居場所がないように思えて出家に
　走ろうとするとも。

　それは確かに逃げであり、真摯に仏道に入りたいと願うものではないかも
　しれません。
　しかし、人の心とは、とても脆く弱いものです。
　逃げ場がないと追い詰められた泉水が
　尼になることに救いを求めたのも仕方ないかもしれません。

　私は元々、寺で生まれ育ちましたし、
　寺族ではありますが、出家はしておりません。
　私の主人は僧侶ですが、寺の息子というわけではありませんでした。
　大学を卒業後、人生が何かとても空しく思え、
　そのために救いを求めて出家したと聞いたことがあります。
　人の心とは、今も昔もそういうものかもしれませんね。


　

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