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こんにちは。

　時橋の死から何とか立ち直れたのも、師匠の存在があったからの
　泉水です。

　さて、月日は流れ、泉水も尼となって三年目になった春、運命はまた
　音を立てて動き始めます。
　泉水は数年ぶりに夫泰雅と再会を果たすことになりました。

　ところで、このお話は以前、別サイトで発表したことがありました。
　当時、泰雅が気の毒だという声がちらほらと聞こえ、
　そのときは作者はそれが理解できるような理解できないような気持ちだったのです。


　でも、それからまた月日が流れ、何度目かに時間を置いて、
　拙作を読み返してみると、そのときはあまり理解できるようでできなかった
　部分が見えてきました。

　そういえば、泰雅は光源氏になぞらえるくらいの遊び人の女好き
　だったんだ、、、
　そんな女と見れば口説いていたような多情な男が一生に一度
　本気に惚れ抜いて、しかも泉水以外は愛せなくなってしまうほどに
　愛した。
　確かに、そこまで想いを寄せる女がけして男を受け容れることができない
　宿命を背負っているというのは泰雅なとっては残酷なことだ、
　そんな風に感じました。
　私は今まで泉水側に寄り添う気持ちの方が大きく、
　泰雅も気の毒だという気持ちはむろんあったけど、
　そこまでではありませんでした。

　しかし、更新するに当たり何度目か読み通していく中に
　見えていなかった部分が何となくですが、少し見えてきたように思います。
　そして、何故、昔に拙作を読んで下さった方が泰雅が可哀想だと
　おっしゃったのかも理解できました。
　

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