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こんにちは。

　やっと掴んだ和泉の幸せなのに―。
　泰雅はどうして和泉をとことん追い詰め、苦しめるのでしょう？

更に和泉が漸くめぐり会えた最愛の男兵庫之助の辛抱強くも優しい大らかな愛は
和泉を少しずつ変えていきます。

あれほど潔癖だった彼女が兵庫之助に
―抱いて下さい。
　と頼むようになったほどなのです。

　心がほどけていけば、それはやがて体にも及びます。
　その和泉の変化は彼女自身でさえ想像もしていなかった残酷な形で
　現れることになります。

　最終章は、そういった和泉自身の大きな変化をも併せて
　長かった物語りの結末に向けて動いていく予定です。

☆今回は執筆当時の後書きをつけました。余計でしたら、読み流して下さいね。

華随想

　七月もそろそろ終わりです。　もうすぐ八月、盆行に入ります。寺としては一年で最も忙しい正念場でもあり、私もいつもよりは、かなり忙しくなります。だから、忙しくなる前にというわけではないのですが、頑張って一作書き上げてみました。最新作「陽炎」はこれ一篇で一冊分はある分量となりました。長いから良いというわけではないけれど、私が描きたいところは全部織り込めたと思います。
　さて、「胡蝶の夢」も残すところ、あと一篇で完結の予定です。やっと泉水を理解し、受け容れてくれる男が現れたのに、また何か波乱含みの様子です。一体、この続きはいかがなりますことやら。完結編はお盆が終わってから、じっくりと掻く予定でおります。
　その前に既に原稿はできている「本」の第三巻の方を仕上げないといけないんですが。
　さてさて。今回の総表紙に描かれている女の子、これが泉水ちゃんです。元々、これは「楓の剣！｣という小説の挿絵として使われていました。このイラストを見た時、私の中で「榊原泉水」というヒロインが誕生したのです。「楓の剣！」のストーリーとは全く関係ありません。もっとも、こちらのヒロイン楓も「小天狗姫」と呼ばれるほどのお転婆で、男装をしては江戸の町を徘徊する―といった点は少し参考にしています。私はこの楓が好きで、でも楓ではなく、もう少し違った女の子の話を書いてみたいと思いました。「楓の剣！」もなかなかオススメです。興味のある方は是非、読んでみられると良いでしょう。
　さあ、暑い夏を乗り切り、完結編でお逢いしましょう！！
二〇〇八年七月二十九日


　

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