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こんにちは。

　流石は凄腕の親分ですね。　
　兵庫之助が殺害されてから、ほんのわずかな間にもかかわらず
　和泉の身元や下手人まで調べ挙げた手腕は見事です。

　しかし、親分から告げられた真実は和泉にとって
　あまりにも残酷なものでした。

　

　私は以前、鬼平犯科帳という時代劇を見ました。
　鬼平という火付け盗賊改めの長官があるとき、
　盗賊の頭とその女を見逃してやりました。
　確か人殺しなどはしていなかったと思います。
　そして、その盗賊はもう重い病で余命も知れていました。
　鬼平はわざわざカゴを二丁用意して、二人を夜の深い闇に紛れて　
　逃しました。
　―人の罪はめこぼしできても、生命まではめこぼしはできない。
　平蔵の心情が遠ざかってゆくカゴを背景にナレーションで語られました。

　何故か、そのとき、何とも言えない気持ちになりました。
　どうも何を言ってるのか自分でもよく判らなくなり―笑
　ましたが、
　読後にそういう余韻のある深みのある時代物を描きたいというのが
　私の目標であり夢だったりします。まだまだ路は遠く険しいですが。。。

　人の罪にもめこぼしできるものと、できないものがある。
　泰雅は和泉を取り返したいがために、人として最も犯してはならない
　罪を犯してしまったのですね。
　

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