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現の後（うつつののち）(佐伯Ｓｉｄｅ)　　　続き

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部屋全体に明かりは付けず、間接照明がほのかに

３人の陰を浮かび上がらせる。

「こんな時間に、こんなに待たせて無礼だろう」

「無礼なのは、旦那様…

「さえき、やめて」」

お嬢様が私の話の途中で制止の言葉をかぶせる。

「待たせたのは私が悪かったの。ごめんなさい」

お嬢様が頭を下げ非を認めたのに、旦那様は不機嫌なままだった。


「嫌味でも言いに来たのか？あんなこといつもの事じゃないか？

部下とただ食事する事を咎められるなんて…

筋違いだろう。

どうしても今夜じゃなきゃダメな用事って何だ？」

「さえき…」

私の方に手を差し出すお嬢様に紙を渡し、お嬢様がそれを

そのまま旦那様に突き付ける。

旦那様は明かりの元にその紙を持って行き、目を細めながら見入っていた。


ほの暗い部屋には、旦那様が紙を弄ぶ音だけが響く。

そして、紙束をデスクに静かに置いた。

しばらく、座ったまま腕を組み目を閉じて何か考え事をしていた。


「わかった、これにサインさせたらいいのか？」

「…」

それは私の望まない返答だった。


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まだ番外編は続きます。

ちなみにこの番外編公開のニュースは、

内容をまとめて作品として公開することになりましたら、

予告の後削除します。

ご了承ください。

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