作者ページ
レイ(りょう)さんの作者ニュース
しばらくぶりです。2
――――――――――――――――――――
現の後(うつつののち)(佐伯Side) 続き
――――――――――――――――――――
私は、急いでその部屋を出た。
私の感情が不毛なのに、お前の物だって?
実際お嬢様に私の奥深くにある思いが受け入れられ届いたことはなかった。
一度だけ、本当に一度だけだが、想いを伝える機会を与えられたが、
それでもお嬢様の想いを聞くことはできなかった。
お嬢様は言わなかったのか、言えなかったのか…
未だにそれを知るすべはない。
そして、大旦那様は私がお嬢様ただお一人…
ただお一人を見守り寄り添うという誓いすら許さなかった。
私には、不本意ながら妻も子もいる。
お嬢様にも旦那様がいてご息女を2人設けられている。
所詮私達は契約で結ばれた関係だ。
あの頃はお嬢様と世話係で…
今は上司と部下。
何があってもそこから先には決して踏み込めない。
踏み込むことを許さない…
しょせん使用人と雇い主。
ドアの前で立ち止まって、カードキーを手に持ち、
息を上げているお嬢様を見つけた。
間に合った…
追いついた…
私は静かにお嬢様の後ろ姿に近づき
「お嬢様?おじょうさま…」
囁くように小さな声でお声をかける。
「さえき…
私の魅力ってお金だけなの?」
振り向かないまま項垂れ、静かに問いかけられた。
「いいえ。
佐伯はそうは思いません」
「でもあの人にとっては結局そうみたいよね。
なんでこんな思いをしてまで…」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
まだ番外編は続きます。
今夜は更新ができないお詫びに…
もう1話追加したいなと思っています。
ちなみにこの番外編公開のニュースは、
内容をまとめて作品として公開することになりましたら、
予告の後削除します。
ご了承ください。
現の後(うつつののち)(佐伯Side) 続き
――――――――――――――――――――
私は、急いでその部屋を出た。
私の感情が不毛なのに、お前の物だって?
実際お嬢様に私の奥深くにある思いが受け入れられ届いたことはなかった。
一度だけ、本当に一度だけだが、想いを伝える機会を与えられたが、
それでもお嬢様の想いを聞くことはできなかった。
お嬢様は言わなかったのか、言えなかったのか…
未だにそれを知るすべはない。
そして、大旦那様は私がお嬢様ただお一人…
ただお一人を見守り寄り添うという誓いすら許さなかった。
私には、不本意ながら妻も子もいる。
お嬢様にも旦那様がいてご息女を2人設けられている。
所詮私達は契約で結ばれた関係だ。
あの頃はお嬢様と世話係で…
今は上司と部下。
何があってもそこから先には決して踏み込めない。
踏み込むことを許さない…
しょせん使用人と雇い主。
ドアの前で立ち止まって、カードキーを手に持ち、
息を上げているお嬢様を見つけた。
間に合った…
追いついた…
私は静かにお嬢様の後ろ姿に近づき
「お嬢様?おじょうさま…」
囁くように小さな声でお声をかける。
「さえき…
私の魅力ってお金だけなの?」
振り向かないまま項垂れ、静かに問いかけられた。
「いいえ。
佐伯はそうは思いません」
「でもあの人にとっては結局そうみたいよね。
なんでこんな思いをしてまで…」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
まだ番外編は続きます。
今夜は更新ができないお詫びに…
もう1話追加したいなと思っています。
ちなみにこの番外編公開のニュースは、
内容をまとめて作品として公開することになりましたら、
予告の後削除します。
ご了承ください。
| 関連小説リンク |