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藍子という娘
第5章 ■娘の告白
中学生であった藍子に変化が起こった。

いつものように、夜11時になり、先にベッドに入っていた藍子の横に、洋二が入り込む。

藍子- 「お父さん」

洋二- 「うん?」

藍子- 「お父さん、再婚しないの?」

洋二- 「しないよ」
    「する気もないよ」
    「藍子、お前が結婚するまではお父さんが守ってあげるって決めているんだ」

藍子- 「うん」「ありがとう」
    「言っていいかな」

洋二- 「なに?」

藍子- 「もうお母さんが死んで10年でしょ、顔は写真とかで判るし覚えている」
    「でもね、お母さんと何をしたとか、こんなことしたとか」
    「ほとんど覚えていないんだ」

洋二- 「そうだな、小さかったし覚えられないよな」

藍子- 「うん」
    「だからって訳ではないんだけど」
    「私はお父さんがいるから、お母さんはいらないけど」
    「お父さんに奥さんをあげたいの」
    「・・・・・」
    「藍子がお父さんの奥さんになっていい?」

洋二- 「うん」
    「あーーっ???」
    「なに~~?」
    「何言ってるんだ?」

洋二は、ベッドから起き上がり、藍子を見る。

洋二- 「馬鹿なことを言うな」
    「お父さんはお父さんだ」
    「藍子の彼氏でもないし、藍子は奥さんじゃないんだよ」
    「学校に行って、彼氏見つけて恋愛してほしいんだよ」
    「もっと自分を大切にして、楽しんでほしいんだよ」

その言葉を聞いて、藍子も起き上がり、うっすら涙を浮かべ洋二を見つめる。

藍子- 「違う」
    「お父さんがすきなんだよ」
    「学校でも、かっこいい男子はいる」
    「だけど、お父さん以上の男子はいないんだ」
    「お父さんが初恋の人なんだよ」

洋二- 「馬鹿なことを言うな」
    「まだ、まだたくさんの出会いはあるから、変な事考えるな」

その言葉を聞き終わると同時に、藍子は洋二にキスをした。
あまりにも突然の話であり、突然のキスを娘がしてきて、びっくりした洋二は、すぐに藍子の肩を掴み押しのけた。
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