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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
綾波の長い指が口元に触れて美名は息が止まる。
「……うん。ここのパンもなかなか美味いな……」
パンの欠片が頬に付いたままで居たらしい。
綾波はそれを指で取り、事も無げに口へ運んだのだ。
美名の頬がみるみる間に紅く染まる。
綾波は可笑しそうにくつくつ笑いながらバスローブの腰の紐を締め直す。
そんな仕草にも彼特有の色気が醸し出され、美名は手にスコーンを持ったままでぼうっと見とれた。
「おい、姫様……しっかり食っておけよ。また何時間も抱き合う予定だからな」
美名の全身がカアッと熱を持ち指が震え出す。
「だ、だだだだって……」
どもる美名を、首を傾げ彼は笑い見つめる。
「――落ち着いて、ゆっくり食え……沢山エネルギーを蓄えて置かないと、持たないぞ……」
「だって……っ」
美名の目が潤み、唇が何かを言いたげに開いては閉じる。
綾波は、その唇を摘まみ魅惑的に囁いた。
「だって――何だ?……ん?」