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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
柳は礼儀正しくお辞儀をして、高く結ったポニーテールを揺らした。
「おはようございます!……あの、相談がありまして」
「なんだい?」
日比野は、イヤホンを外し優しい上司の顔を向けた。
柳は、躊躇いがちに目をふせるが、少し頬を染めて言う。
「あ、綾波様……のお部屋へ、今後のスケジュールに関してのご連絡をしたいのですが……そ、その……いつ、どのタイミングでお電話を入れたら良いのか……」
柳は、昨日夕食も頼まずに部屋に籠りきりの二人を心配していたのだが、一晩明け、ルームサービスを届けた時に、ふと寝室の奥のドアが開いていて、くしゃくしゃに乱れたシーツと、物憂げに横たわる美名の姿が見えてしまい内心慌てたのだった。
そう言えば、綾波もバスローブ姿のまま、何とも言えない色気を漂わせていた。
(お式を決めた熱々のお二人は、一晩じゅうお部屋で……?……ひ、ひょっとしたら、昼間でも……っ。うわあ……下手にお電話とかして、邪魔したらいけないわ……)
柳は、綾波と、今日の天気だとかニュースの事など当たり障りのない会話をしながら、頭の中では妄想を爆発させていた。