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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
日比野は、目尻を下げ、やかに言う。
「……柳君。確かに電話のタイミングによっては失礼にあたる場合もあるかもしれないが、我々にも仕事の段取りというものがあるし、最低限の所は押さえておかなくてはいけませんからね……
まあ、色々なお客様がいらっしゃるが……綾波様達に関しては、柳君とちゃんと信頼関係が出来ているようですから、柳君の考える匙加減で良いと思うけどね……」
「は、はい……そうなんですけど……」
自信が無さげに口ごもる彼女の頭に、日比野はそっと掌を置き、撫でた。
途端に彼女の頬が仄かに紅く染まる。
「君は頑張っている……確かに、あれだけの有名人の挙式を任されてプレッシャーもあるだろう。だが、どんなお客様であれ、我々がすべき仕事は同じだよ……自信を持って、君の思うようにやりなさい。いつでも相談に乗るからね」
「……は、はいっ……ありがとうございます!」
柳ははち切れそうな笑顔を向けお辞儀して出ていった。