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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
綺麗にサイドが編み込まれた栗色の髪を指で撫で、胸元のボタンがちゃんと留められているか、ストッキングが伝線していないか、美名はドレッサーの鏡の前で後ろ姿や、正面、斜めから、何度も確認するが、ソファで脚を組みじっと見ていた綾波がクツクツ笑う。
「大丈夫だ……どこから見ても可愛い、厭らしい姫様だぞ」
美名は、キッと彼を睨みつけた。
「い、厭らしいは余分だし!厭らしいのは剛さんでしょうっ?」
「……怒っても全く怖くないぞ……寧ろ、ゾクゾクする……もっと怒ってみろ……」
綾波は、ソファからゆっくり立ち上がり美名に近付くが、美名は思わず後ずさる。
「つ……剛さんっ……来ないで!」
「来ないでってお前」
「だ、だだだだって!また私を襲うでしょ――!」
美名は、真っ赤になり彼から逃げ回る。