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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
綾波がようやく唇を離す頃には、美名の瞳は蕩け、その眼差しは彼の身体を疼かせた。
「……全く……お前は」
綾波は、軽く咳払いすると、美名の鼻を指で摘まみ豚鼻にした。
「ふがっ」
目を白黒させる美名を見てニヤリと笑い、綾波は彼女の頭をポン、と撫でた。
「……姫様が欲情してしまったようだが、続きは帰ってきてからにするか」
「よ、よよ欲情って!」
「そろそろ、三広と桃子を送ってやる時間だろ」
「あ……そ、そうでした……ね」
美名は、今思い出したという風に口を掌で押さえる。
「ほらな。ムラムラ来て妹を送る大事をすっかり忘れてたじゃないか」
「よ、欲情とかムッ……ムラムラだとか、人を変態みたいに言わないで――!」
美名は真っ赤になり喚くが、綾波はフフンと鼻を鳴らし、彼女に黒いレースとリボンの帽子を持たせ、エスコートする騎士の如く右肘を突き出した。
「さあ姫様、お手をどうぞ」
美名は、ドギマギしながら彼の腕を取った。