この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
美名達が下へ降りると、桃子と三広はラウンジでテーブルを挟み何やら言い合いをしていた。
言い合いといっても、桃子の方が優勢のようで、目を吊り上げて三広に怒鳴っている。
二人の醸し出す不穏な雰囲気に、周囲の客達もお茶をしながらチラチラと視線を向けている。
「ど、どうしたのかしら」
「まあ、犬も喰わない夫婦喧嘩ってヤツだろうよ……しかしまあ、三広も女と喧嘩するようになるとはな……デビューしたての頃には、女を見ればビビって硬直していた奴が……」
感慨深げに頷く綾波だったが、美名は気が気ではない。
静かなラウンジに、桃子の高い険を含む声が響き渡り、明らかにこれは迷惑ではないだろうか。
迷惑もそうだが、あんなに三広に会うのを楽しみにしていた桃子が……一体何があったのだろう。