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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
――その後、美名は応接で日比野と二人きりで対峙していた。
テーブルを挟み、スーツを濡らしてしまった為、ラフなジャージに着替えた日比野が優雅な手付きで紅茶を淹れ、美名に勧める。
「紅茶はお好きですか?……これは取って置きの銘柄ですよ……どうぞ」
「は、はいいっ!い、いただきますっ」
元気良く返事をする美名だが、彼と二人きりという緊張で、指が震えてカップを持てない。
日比野が、そんな様子を見て唇の端を上げ、たおやかと言うのが相応しい洗練された仕草でカップを持ち紅茶を口にした。
彼は、薫りを堪能するように瞼を閉じるが、美名がガチガチに固まっているのが可笑しくて遂に笑いを溢す。