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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション



 綾波は『演技も何も、つまりまんまの志村さんじゃないか』と言い、美名も苦笑したのだ。


 ただ、冒頭の殺人シーンだけは怖くて美名は綾波の背中に隠れチラ見しか出来なかったのだが、その場面が今の状況と重なるのだ。


 男が歓楽街で男を突き飛ばし、突き飛ばされた人物は塀に頭を強打し、ガクリと崩れ落ちるのだが、塀には真っ赤な血が――――




「ヒャアアアアア――いやあ――っ!」



 美名は、恐怖で大声で叫んでしまう。



 もし、日比野が打ち所が悪くて事切れていたりしたら、どうしたらいいのだろう――と本気で恐れながら美名は彼の側へ屈み、呼吸を確かめる様に彼の鼻先に顔を近付けた。


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