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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
日比野は、実は先程から息を詰めて彼女の様子を薄目で見ていた。
叫ばれた時にはその良く通る声が鼓膜を破るかと思う程にビリリと振動し、キツかったが……
コロコロと表情を変化させ狼狽える彼女はとても可愛くて、保護欲をそそる。
本気で心配している様で、目を潤ませていたので、そろそろ起き出して安心させてやろうと思っていたら、彼女は側へ近付き、膝を折ってしゃがみ、顔を近付けてきた。
長い髪が頬にサラリと触れ、甘い香りに胸が震え、屈んだ際にスカートの裾が捲れ、黒いストッキングに包まれ艶かしさを増した太股が露になり、日比野の身体を疼かせた。
気を失ったと思い、警戒も何もしていないのだろう。
美名は、日比野の頭にそっと触れるが、その指は震えていた。
「ひっ……日比野さっ……い、生きてます?……生きておられるなら……わ、わかる様に……返事を……して…………ひっ……く」
彼女の嗚咽が聞こえ、日比野はとうとう堪えきれなくなり、吹き出した。