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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
「……結婚するから、何なんです?」
「えっ……?」
長くしなやかな両の腕が、美名の顔の横の壁を突き、彼の瞳が誘惑めいた輝きを帯びて見詰める。
「結婚は……単なる法の上での契約ですよ。お互いの心までは永遠に結ぶ事など不可能です……」
「なっ……!?ウ、ウェディングの仕事をされている方の言葉とは思えませんっ!何故、なんで、そんな酷い事を言うんですか!」
美名は、日比野に対抗すべく、勇気を振り絞って反論するが、微かに声が震えている。
日比野は、そんな様子を目を細め見て優雅に笑った。
「酷くありません……ただ、真実を言っただけです」
「――!」
美名は彼を睨み、身を屈めて腕の中からすり抜けようとするが、素早く屈強な腕が美名の身体を捕まえる。
「キャアッ――!離し……」
日比野は、至近距離まで顔を近付けた。
「……騒いだら、口を塞ぎますよ?」