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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
その言葉の意味を分からせるかの様に、日比野は指で美名の唇に触れる。
「……っ」
恥ずかしくてなのか、理不尽さへの怒りからなのか、美名の頬は鮮やかに染まっていく。
彼の指が悩ましく踊る様な動きで唇をなぞった。
「――彼と結婚して、幸せになれると思いますか」
「あ、当たり前じゃないですかっ!私は剛さんを愛してるし、剛さんも」
日比野は、やれやれ、という顔で首を振ると溜め息混じりに言う。
「愛して、大切な貴女を、何故彼は、今こうして一人にしたんでしょうね?」
「――!」
息を呑む美名の髪を、感触を楽しむかの様に彼は指で摘まむ。
「私なら……こんなに美しくて魅力的な貴女から、絶対に目を離したりしませんよ。……彼が貴女よりもご友人を優先したから、貴女は今こうして危険な目に遭っているんです」
美名は、日比野の底知れない笑みに瞬間恐怖を覚え青ざめた。