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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第5章 眼差しのテンプテーション
美名は、大きなステージで歌う時の様に息を吸い込み、腹の底から叫んだ。
「う――る――さ――い――っ!」
「……っ」
美名の本気のシャウトは日比野を驚かせ、彼に耳を塞がせた。
拘束が緩んだその一瞬、美名は素早く彼から逃げ出してドアを開ける。
耳を塞いだまま唖然と見ている日比野に、美名はドアが閉じる寸前に言い放った。
「このホテルの偉い人だか何だか知らないけどっ……剛さんの事を悪く言う人はだ、大嫌いです――っ!」
美名は、ついでにアカンベをしてドアを乱暴に閉めた。
「……もうっ……何なの……何なのよ――っ」
プリプリ怒りながら、美名は大股でロビーへと向かった。