この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「それに日比野チーフは、お客様一組ひと組に寄り添って、最高のウエディングを作ります……私も、いつかチーフのようなプランナーになって……」
柳はそこまで言い掛けてハッと我にかえり、美名に頭を下げた。
「すいません……!私、ついペラペラと……」
「いえ……いいんです……」
柳の日比野への心酔ぶりに、美名はすっかり毒気を抜かれてしまった。
そこではた、と桃子の事が心配になってきた。
三広と喧嘩をし、ホテルから飛び出して一人で出ていってしまった桃子。
(一体何があったのかさっぱり分からないけど、あの子がそれほどまでに感情的になるなんて……)
美名は、自分の怒りにばかりとらわれて、静岡から来てくれた大事な妹の心配をすっかり忘れていた事への罪悪感に、思わず頭を抱えて溜め息を吐いた。
「ああ……しまったなあ……」