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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
三広は僅かに顔を上げ、口を開きかけたが再び固く結ばれ、座席に体育座りの体勢で膝に突っ伏す。
「……黙秘権を行使していいかな……綾ぢゃん……」
「認めん」
「ぐっ……で……出来れば話したくない……」
「ダメだ。洗いざらいぶちまけろ。本当なら二人の間の事には他人が介入するべきじゃないが、明日大事なステージを控えているのにそんなグッタグタじゃあ他のメンバーの士気に関わる……それにお前らを見に駆け付けるファン達にも失礼だ。ファンは敏感に自分達の好きなミュージシャンの精神状態を見抜くからな……それに半端なライヴをして他の奴等に舐められたいのか?あっ?」
「――っ……お……俺は、ミュージシャンだけど、生身の人間だよ!そんな風に理想のミュージシャンたるなんとか、って説教されたって」
「いくらでも説教してやるさ。今お前に物を言えるのはこの俺だけだからな」
綾波は眼鏡を外すと、突っ伏す三広を無理矢理起こし、胸ぐらを掴む。