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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「なあ……マジで何があった」
「……」
口をつぐみ綾波から目を逸らす三広だが、綾波が彼の顎を掴んで無理矢理正面を向かせ再び訊ねる。
「三広」
「……恥ずかしくて言えないよ」
「あ?」
「きっと……綾ちゃん……俺を軽蔑する」
「阿呆。俺がそんな風にお前を――」
綾波の言葉を遮る様に、三広は彼の唇に指をあてて首を振ると、顔を歪ませた。
「いつか話すよ……でも今はまだ言えない……俺が言う勇気が持てないんだ」
「三広……?」
「さ~て!なんかスゲー腹へった――!綾ちゃん、ここのサービスエリア名物『将軍ラーメン』食べようよ~!」
三広は重々しい空気を振り払うように、ワントーン高い声を出してシートから身体を起こしドアを開け、伸びをひとつして足早に行ってしまう。
「おいおい……待てって」
綾波も車から降りてキーをロックし、三広を追い掛けた。