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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「これこれ!これがさあ、サイコーに良いんだって――!」
「でかい声出すなよ……いい大人の男が漫画一冊ではしゃぐとか、みっともないって」
聞き覚えのある野太い声と優しげな声に桃子は思わず振り返りたくなってしまうが、本を手にしたままでその場に立ち尽くして息を殺した。
――気のせい?でも……この声――
「何だよお前!しょーじょ漫画を下に見てないかっ?そもそもなあ、小説が上で漫画が下だとかねえよ!どっちも同じ読み物、エンターテイメントなんだって!特にこの作品、純キミはだなあ――」
「はいはいはい、とにかく静かにするっ!」
「いっで――!殴るこたあね――だろ――由清――っ」
「殴ってないだろ!ちょっと叩いただけさ」
桃子は後ろに居る二人の人物が誰なのか確信し、一瞬にして胸が躍り、小さく呟いた。
「ア、アンソニー……と真理……?」