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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
ゆっくりと振り向くと、『ゆるっクマ』のアップの顔がプリントされたシャツを着てサングラスを掛けた倉田真理と、ゆったりとした青いシャツに白い柔らそうな布地のストールを優雅に纏ったアンソニー――立花由清が驚いた顔で其処に居た。
由清はともかく、強面の真理の服装には色々と突っ込みを入れたくなるのだが――桃子は落ち込んでいた気持ちが一気に浮き立つのを自覚するが、それを悟られないようにわざと乱暴な口を利く。
「な――んだ、どこのチンピラかと思ったら真理――!?何よ~らしくない純愛コミックなんか手に持って――!」
「桃子!久々なのに態度わりーな~!何だよっ俺が少女漫画好きで何が悪いっ」
真理も口は悪いが表情は何処か嬉しそうだった。
由清が今どんな表情をしているか気になったが、桃子は彼の方を見れずに真理の胸を小突く。
「ここは乙女の聖域なの!あんたみたいなでっかくて怖い顔の男がヌボーって居たら皆がこわがるでしょ――!」