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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
由清は女性達の黄色い声に真理の「助けてくれ」という悲鳴が聞こえたような気がしたが、気付かない振りをして腕の中の桃子の表情をちらりと盗み見る。
白い肌が頬だけでなく首筋や胸元まで鮮やかな桜色に染まっているのを見て息を呑み、釘付けになってしまった。
俯いていた桃子が恐る恐る、といった風に顔を上げた時二人の目と目が合わさる。
桃子が目を丸くして益々赤面するのが可笑しくて由清がクスリと笑うと、桃子の平手が頬に飛んでくる。
由清はそれを食らう前にかわして彼女の手を掴むと、桃子は悔しそうに唇を噛んだ。
「なんで殴るの?」
「……う……ごめんなさ……でも……お、降ろしてくれないからっ……」
「じゃあ、口でそう言えばいいのに……いきなりビンタが来るとはビックリだよ」
由清は桃子を抱いたまま、彼女の甘い薫りを感じて少し目眩をおぼえていた。