この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「だって……私はっ……一応っ……一応じゃないけど!他の人の物なんだもん……すす隙を見せたらダメだって……み……」
三広の名を言い掛けた桃子は、突然涙が溢れて来てしまい絶句する。
由清は一瞬驚くが、女性の涙は不可解で脈絡がないという事を知っている。時には受け流してやる事が正解なのだ。得意なポーカーフェイスで平然と桃子にこう言った。
「うん。三広君がそう言うんだね?……ところで、桃子ちゃんは何でひとりなの?その三広君に会いに東京に来たんじゃないの?」
「三広君三広君言うな――っ!」
桃子は爆発したような叫び声を上げて由清の胸をドカドカ叩いた。