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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
「桃子ちゃ……ちょっと……ストップ――!」
桃子の小さな柔らかい掌の攻撃は思いの外由清にダメージを与え、暫くまともに受けていた由清も堪らず白旗を上げる。
目を瞑って「もう堪忍して」と懇願する――ホスト時代にはこの仕草で大概の女性は頬を緩めて許してくれたのだが――桃子には通用しなかったようだ。
メチャメチャに両腕を振り回し胸を叩き、由清の頬に爪が掠りチクリと鋭い痛みが走る。
「もうっ……三広君なんて……三広なんか――っ」
「桃子ちゃ……っいい加減にしないと……っ」
頬から何かが流れる感覚と、唇に生暖かい苦い味が入り込む。
どうやら、桃子に引っ掛かれた頬の傷から流れた血のようだ。