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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い
そんな事を考えた桃子は、目の前の髪を弄ぶ由清の長くて綺麗な指に目を奪われながら心中自分を恥じる。
――私ったら、ちょっと何かあった位で調子の良いことを……アンソニーの事はキッパリと振ったじゃない……
一番に好きなのはお姉ちゃんで……アンソニーは二番で……三広君は特別枠で大好きだから……って言った癖に――
由清の優しく巧みな誘惑に溺れてしまいそうになる自分を叱り、彼の手を振り払おうと拳に力を込めようとするが、ふと先程の三広との会話が過ると苦しさに喉が詰まって動けなくなってしまう。
知らず知らずの内に涙を流していた桃子は、由清に頭を撫でられていた。