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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第6章 リトルプリンセスとプリンスの憂い



「ごめん……泣かせちゃった」



 眉を寄せて唇を歪める表情でさえ、綺麗と思わせてしまう彼だった。まるで悲嘆に暮れる王子――といったところだろうか。彼なら白いタイツやフリルのブラウスがさぞかし似合うだろうし、出来ることならそういうのを着てそんな顔をした瞬間を写メって保存したい。ついでにブラウスのボタンを第三位まで外してくれると尚萌える。

 しゃくり上げながら桃子がそんな妄想をしているとは知らない由清は、桃子の頬を綺麗に折り畳まれたハンカチで丁寧に拭い詫びた。



「つい調子に乗ったな……桃子ちゃんに久しぶりに会えて嬉しくてさ……でも……キスは不味かったな」

「うっ……ううん……っ私も沢山殴ったから――」

「――じゃあ、おあいこ、って事にしてもいい?」



 由清がクシャリと笑い、桃子は涙目で頷いた。

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