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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第3章 躾られたBEAST
「もう大丈夫だぞ……どんなに怖い夢を見たのか知らんが……俺が居るからな」
優しく大きな掌が頭をポンポンと叩く感触が堪らなく心地好くて、美名は泣きたくなった。
「あ……あの男のひと……は」
震える声で、勇気を出してたずねてみる。
「柳さんの上司で、ウエディング部門の一番偉い人らしいな」
「――そ……うなの」
ますます分からない。
そんな人が、何故あんな事を――?
今、美名が目にした日比野は、物静かな優しげな面差しで、瞳の中に少し鋭さは見えたけれど、きちんとした普通の――
いや、普通という表現は当てはまらない。
整った眉に通った鼻筋、彫りの深い目元はミステリアスさを醸し出している。俳優だと言われても不自然ではない風貌だった。