この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第3章 躾られたBEAST
「ち……ちが……」
美名は綾波を見つめながら首を振った。涙で目が盛り上がり溢れそうになる。
(どうしよう――さっきのが夢じゃなかったら――!)
「――なんてな、冗談だ」
綾波は美名の額にいきなりデコピンした。
「痛っ……て、へっ……?」
綾波は悪戯っぽく笑っている。
「お前はすぐに真に受けるな……アホか」
「な……なっ……ひど……」
美名の目からとうとう涙が溢れた。彼女は唇を結び、綾波の胸を拳で叩く。
「うおっ……また殴るか」
綾波は叩かれながらも美名を包み込む様に抱きしめ、苦笑した。
「剛さんのバカっ!バカバカ――!おかしな冗談は止めてよっ!変態――!いじめっ子――!」
美名は、綾波を責めながら心の中で安堵していた。
あのまま問い詰められたら、誤魔化す事など出来なかったかもしれない。