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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第4章 マリッジブルー・プリンセス
三広は、桃子の手から伝わる熱に慌てた。
「やっぱり具合が良くないんじゃない?……クスリ!フロントでもらって来るよ」
「……待って!」
三広は席を立とうとする。桃子は、引き留めようと、とっさに彼の髪をワシッと掴んだ。
「ひぎゃああ」
三広が耳をつんざくような悲鳴をあげ、ラウンジでお茶を飲んでいた客達が何事かと振り向く。
桃子は痛がる三広の頭を撫でながら、周囲にペコペコとお辞儀する。
「すみません……な、なんでもありません」
桃子の指に残る、三広の抜けた髪を見れば大事(おおごと)なのだが……
「ゴメンね?三広君……」
「う、う……うん……」
三広は頭を押さえ涙目で笑った。