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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第4章 マリッジブルー・プリンセス
「綾波っ!なんて破廉恥なカッコしてんのよっ!」
桃子が目を剥くが綾波は耳を貸さず、日比野の腕に抱かれている三広を見て眉をひそめた。
日比野は静かに言った。
「軽い脳震盪でしょうね……彼を部屋へ運びますから、とりあえず道を開けていただけますか?」
綾波は、鋭い目を向けながら彼に一歩近付く。
「俺が運ぶ」
「綾波様……?」
首を傾げる日比野だったが、綾波の眼光に何かを感じたのか、三広を綾波に託し礼儀正しいお辞儀をした。
「――ではよろしくお願いいたします。もし必要なら、医者を呼びますので……」
綾波が無言で三広を抱えエレベーターに乗り込むと桃子も追いかけて来た。
「三広君……大丈夫かな……」
「心配ないだろう。疲れが溜まっていたのかも知れん……今日はこのまま休ませてやれ」
「うん……」
エレベーターが閉まる瞬間、お辞儀をしていた日比野が僅かに顔を上げる。
綾波と視線が合わさり、二人の間に青く静かな火花が散った。