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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第4章 マリッジブルー・プリンセス
綾波は一瞬笑った。が、直後に凍る様な瞳を美名に向けた。
「……危ない事?たとえば……そいつを半殺しにするとか?」
「――っ」
美名が涙を目に溜め首を振ると、彼は指先でその雫を拭う。
「……なぜ泣いている……?そいつを庇ってか?」
「違……私はただっ……」
綾波には、糸が切れたら何をするか予想が付かない危うさがある。そんな彼に惹かれているのも事実だが、今は怖くて仕方が無かった。
(お願い……剛さん……私……もう、何があっても揺れたりしないから……だから……)
胸の思いを言葉にしたいのに、喉が詰まった様に声が出せず、美名は咳き込んだ。
「……大丈夫だ、お前が心配する様な事はしない」
綾波は、美名の背中をそっと擦り優しく言った。
「つ……剛さん……」
美名は、思わずしがみつく。