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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第4章 マリッジブルー・プリンセス
「日比野、か――」
まさか、と思った。
あの彼が、そんな野蛮な行動をする様にはとても見えないからだ。
綾波は、鏡台に両手を突き考える。仮に、彼が美名の言う「無理矢理唇を奪った日比野」だとして自分はどう対処すべきなのか。
もしも本当なら――客にセクハラをした日比野は重大なコンプライアンス違反を犯した事になる。猥褻目的の暴行罪で訴える事も出来る。
(だが、あの彼がそんな馬鹿な事をするだろうか?)
日比野とは今日会ったばかりだし、彼の事は何も知らないが、どうしても腑に落ちない。
「……美名が起きたら、詳しく話を聞くか……」
深く息を吐き呟いた時、美名の譫言が聴こえてきて、綾波は振り返った。