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eyes to me~私を見てsecond―愛は無敵―
第4章 マリッジブルー・プリンセス
「ふぐんっ?」
顔に何か柔らかい物が押し付けられた。烈しいキスが来るかと思っていた美名は面食らう。
目の前には、しましまバニッぴーの粒羅な瞳があった。
人形を手に綾波に声を掛けようと身体を起こすが、彼は素早くドアまで歩いて行ってしまう。
「剛さん――?」
綾波はドアノブに手を掛けると振り向かずに低く言った。
「日比野と話してくる。お前は部屋から出るな」
「えっ……!?」
美名がその言葉の真意を確かめようとする前に彼は部屋から出ていってしまった。
――それからどれ程の時間が経ったのだろうか。
美名はベッドに寝そべり、バニッぴーを相手に時折呟いていた。
「……バニちゃん、剛さん、遅いねえ?」
勿論バニッぴーが返事をする訳がない。