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あたしに全部見せなさいっ!~大学編~
第7章 種明かし
エントランスから外に出ると、すでに日は沈みかけていた。オレンジ色の夕暮れ。高校の時の帰り道を思い出す。
あの頃は、いつも帰りはこの時間か、もっと暗くなってからだった。付き合い出してからは、ほとんどの放課後を柚留と二人で帰った。
「ねえ、昼間のローター、まさか構内に捨ててないよね?」
気を使ってくれたのか、詩織の姿はいつの間にか見えなくなっていた。だから堂々とこのことを聞ける。
ちょっと気になってたんだ。
「捨てられるわけないでしょっ? ……ちゃんと、洗って持ってきたよ」
あの時のお仕置きを思い出したのか、柚留はわずかに頬を赤らめる。それからちらりとあたしの方を向いた。
「……怒ってる? ……荒巻先輩と、浮気してると思った?」
「……そうだね、なんで何も話してくれなかったの?」
本当は、怒り以上に安心の方が強い。柚留はあの人と浮気をしていたわけでも、ましてや好意を持ったわけでもなかったのだ。それに心底ほっとした。
だけど、隠し事をしていたのは事実だ。
「女装……恥ずかしくて」